【裏波が出ない…を終わらせる】ステンレスTIG検定(JIS Z 3821)×TN-Fバックシールド治具|原因と対策
ものづくりだより174号(問題解決)
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
「裏波が綺麗に出なくて不合格になった」「練習では出るのに、本番条件だと再現できない」――
ステンレスTIG溶接技能検定(JIS Z 3821)では、この“裏波の不安定”が、最後まで残る課題になりがちです。
そこで本記事では、裏波形成を左右するバックシールド(裏面シールド)に焦点を当て、当社が独自開発したバックシールド治具『TN-F』を例に、
悩み → 原因 → 解決策 → 得られる結果 → 次の行動の流れで、課題解決型に整理いたします。
よくある課題|ステンレスTIG検定で何が「詰まりポイント」になるのか
ステンレスのTIG溶接では、裏面(ルート側)が外気に触れると酸化が進み、裏波外観が荒れたり、連続性が崩れたりします。
裏波の乱れは、外観評価の不安だけでなく、熱入力のレンジを狭める原因にもなります。
- 裏面が酸化して、裏波がザラつく/途切れる/蛇行する
- 裏面の不安が残り、熱入力を攻めきれず、溶込みが安定しない
- 「その日の状態」で結果が変わり、再現性が取れない
つまり「腕」だけで解決しようとしても限界があり、裏面側の雰囲気(酸素遮断)を毎回同じ状態に整えることが重要になります。
原因|なぜ一般的な方法では安定しにくいのか(バックシールドの落とし穴)
裏波が綺麗に出ない原因の多くは、バックシールドガスの制御不足です。
布テープ等の簡易方法は手軽ですが、シール性やガスの流れが一定になりにくく、結果として裏波の再現性が落ちやすくなります。
- ガス漏れ:シール性が一定にならず、裏面側の雰囲気が毎回変わる
- ガスの偏り・滞留:流れが偏ると酸化や巻き込みのリスクが残る
- 流量のばらつき:同じ設定でも「効き方」が変わり、結果が読めない
そのため、表面的な対策ではなく、裏面側を漏れにくく・偏りにくく・一定の流れにする構造が必要になります。
解決策|裏波形成に特化して設計した「TN-Fバックシールド治具」
TN-Fは、裏面を均一にシールドすることを目的に、検定条件での使い勝手と再現性を重視して設計したバックシールド治具です。
合格を保証するものではありませんが、裏面側の条件を整え、溶接操作の再現性を高める「土台」を作る考え方となります。
① 裏面を均一にシールドし、雰囲気を一定にする
裏波形成で最も厄介なのは、「効いている/効いていない」が毎回変わることです。
TN-Fでは、裏面側のシールド状態が大きくブレないよう、治具としての当たり・密閉性・ガスの回り方を意識した構造にしています。
② 操作に集中できる状態を作る
裏面の酸化や巻き込みの不安が減ると、電流・トーチ角度・溶加材投入など、基本操作に集中しやすくなります。
結果として、裏波の連続性・外観の安定に寄与しやすくなります。
③ 繰り返し練習で「再現性」を固めやすい
検定は一発勝負に見えますが、実務的には「同じ条件を何回再現できるか」が合否を左右します。
治具で前提条件が揃うと、条件出し(流量・電流・運棒)の比較がしやすく、改善が回しやすくなります。

TN-Fバックシールド治具(自社開発品):裏面シールドを安定させるための検定対策治具

裏波の形成例:バックシールドが安定すると外観の再現性が上がりやすくなります

表ビードの外観例:裏面条件が整うと、操作の安定にもつながります
導入例|教育・訓練現場での活用(具体名は非公開)
同業の板金工場様では、新人教育用にTN-Fを複数導入いただいた例があります。
また、技術学校でも溶接検定の裏波練習用として活用されています(※具体名は非公開)。
「自作治具よりもガス管理がしやすく、安定した裏波が出せた」というお声もいただいています。
購入者向けサポート|治具だけで終わらせず「運用」まで支える
TN-Fをご購入いただいた方には、LINE登録で『裏波一発合格マニュアルPDF』(当社配布資料)をお渡ししています。
さらに、不安な方にはオンライン技術相談(別途)も可能です。
また、お客様のガス接続方法および形状に応じて、仕様のご相談も承ります。
※標準はバックシールド用ガスホースの接続は内径8mmをご使用ください。
部材はパーツ毎で在庫をしており、ご要望をお聞きしてから最終組み立てを行います。
そのため、リードタイムは10日前後を頂いております。検定の予定が決まっていましたら、早めのご注文がおすすめです。
▼ TN-Fのご購入(STORES)/ご相談(カスタム対応)
購入は、ホームページからのご連絡、または STORES からご購入いただけます。
「自社の接続や形状に合わせたい」「仕様の相談をしたい」場合は、お問い合わせからご相談ください。
YouTube動画はこちら
[YouTube動画へのリンク]
参考
日本溶接協会:http://www.jwes.or.jp/
京都府溶接協会:http://www.kyoto-yousetu.server-shared.com/
▶関連記事(TN-F検定治具・ステンレスTIG検定対策)
よくある質問(FAQ)
Q1. 裏波が安定しない主因は「腕」ではなく、バックシールドですか?
多くのケースで、裏波の乱れはバックシールドの漏れ・滞留・流量不安定が支配的です。
条件(開先、隙間、熱入力)に対して裏面の酸化・巻き込みが起きると、操作が安定していても再現性が落ちます。
Q2. 布テープなどの簡易対策では、なぜ再現性が出にくいのですか?
簡易対策はシール性が一定になりにくく、ガスが逃げたり溜まり過ぎたりして、裏面の雰囲気が安定しません。
結果として、裏波の連続性や外観にばらつきが出やすくなります。
Q3. TN-F治具のガス接続や仕様は固定ですか?
標準仕様はバックシールド用ガスホース内径8mmを想定しています。
現場の接続方法や形状の事情に合わせて、仕様のご相談も承っています。
Q4. 納期の目安はどの程度ですか?
部材はパーツ単位で在庫し、ご要望確認後に最終組立を行う運用のため、目安として10日前後をお願いしています。
検定日程が決まっている場合は早めの手配が安心です。
「他社では断られた」「難しいとされている」――
そんな案件ほど、ぜひ当社にお任せください。
現場の課題を一緒に解決していきましょう。
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